負け犬の遠吠え

ハイソな敗走
はい、そーですか?
無惨な負け方
あー、そだろうね
オイラはやっぱり
負け犬なのさ
狼は 人間に飼い馴らされて
犬になったという
しかし負け犬という言葉はあるが
負けオオカミという言葉はない
尻尾を振って 舌を出して
愛想良くしたところが
下り坂の始まりなのさ
オイラは今日も舌を出し
口を開けて息を切らし
ヨロヨロになり足をもつれさせながら
上り坂を登っていく
ガムなんか噛んでる余裕はないぜ
てっぺんに登ってみて初めて
この世界の小ささを思い知る
へへんだ
小さいのはオイラだけじゃないんだ
けど胸を張って 堂々と
前を向いて歩いているのは
いったい何%の人間だろうか?
そういう奴に限って
金かコネ頼りだ
子猫のようにオイラは
ウロウロと途方もなく歩き回り
あてどもなく人生に行き詰まる
敗走かい?
ああそうかい?
恥ずかしいかい?
惨めかい?
ああそうですよ
敗残の兵を集めて
また決起する余力もない
ウントコドッコイ
疲れ果て 座り果てて
無惨に朽ち果てる
残るは屍 骨と皮のみ
三途の川ももうすぐだ
オイラはやっぱし
ただ途方にくれる